養生医学

体質別入浴法

2017年01月07日

 

○ 無双原理から見た入浴法

 ・掛け湯

   衛生の目的。

   心臓に急な刺激を与えない。足先から上の方へ掛ける。

   冷たいタオルを頭に乗せる。高血圧、心臓病の方は特に注意する。

 ・入浴の際の諸注意

   血圧の高い人、△心臓病の人は、ぬるめの半身浴で長く入浴。第一大根湯、シイタケスープ、時としてりんご、みかんジュースを飲んで入浴。

   貧血の人は心持ち高い温度で短めの入浴。醤油番茶、梅醤番茶、ヤンノー等陽性な飲み物を飲んで入浴。

 ・湯疲れ

      湯疲れは脱塩状態です。

     だるい、気分が悪い、眠い等の症状。

   気分が悪くなる時、脱塩で胃腸の働きが悪くなるから醤油番茶、梅醤番茶等陽性な飲み物を飲む。陰性な人は入浴前に飲むと良い。

   眠い時には副腎に冷たい水を掛け冷やし、陽性な飲み物を飲む。

   1回入浴すると2000㍍走ったと同じ程度の心臓負担となります。

 ・入浴温度

   入浴の温度は、体質によって大きく変わります。

   43~47℃ 熱い

    緊張が高まり血流も良くなり血圧を上げる。

        しばらくすると血圧が下がる。

    湯から出るともう一度血圧が上がり、その後正常に戻る。

    温度による皮膚刺激が強い。

    心臓病・高血圧の人、陰性病の人は厳禁。

    陽性萎縮タイプの人が好む。

    入浴は短時間。

   41~43℃ 適温

    血行が良くなり体温が上がる。

    体が温まり疲労が取れる。

        長時間入浴は脱塩。

   38~41℃ ぬるい

    血行を良くし、緊張が取れるから筋肉が緩み疲労も取れる。

    長時間入り脱塩するから血圧を下げる。

    陽性肥大タイプの人が好む。

    陽性心臓病、高血圧、精神病、アトピー、性病など陽性病に有効です。

 ・入浴方法

     胸を入れない時、肺が拡張。

   胸を入れた時  肺が収縮して動かない。

    肺結核の死亡率が第一位の原因の一つになった。

   高血圧の人は片手を水につけながら入浴すると血圧を上げない。

 

   肉食の人は皮膚の周りに脂肪が多いから入浴しても脱塩できない。

      西式の温冷浴は体の弱い人は危険です。

    陽性肥大の人に合います。

   脳震盪、脳貧血になった時には醤油番茶、梅醤番茶を飲ませます。

 ・入浴の効用

   ホコリ、アカ、汗、脂肪を取る。

   古塩を抜く。

   体を温め血液循環を良くし、新陳代謝も良くする。

   温泉の時にはミネラルが入る。

  ※ 夏の暑い盛りに母親が入浴直後、母乳を与えないこと。

       末端の塩分、水分を抜くが、中心部の塩気はそれほど抜かれないため、母乳が濃縮される。

 ・入浴、温泉療法の効果のある病気

   慢性疾患

    神経痛、リューマチ、神経炎、神経麻痺。

    脳出血、脳梗塞の後遺症、胃腸カタル

   冷えから来る常習便秘、不妊症、陽性腎臓病。

   筋肉、関節の硬直、外傷による関節障害、皮膚病。

  ※ 昔は粗食だったから湯治の効果が高かった。

    海辺では魚を食べ、潮風を受けるから薄味、緑茶が好まれる。

 ・入浴、温泉療法厳禁

   熱の出ている急性病。

    急性関節リューマチ(急性心膜炎、心筋炎を併発)、急性熱性疾患、

    発熱して関節が腫れている、痛風。急性肺炎、急性熱性伝染病、

    重篤心臓病。

      貧血

    癌、肉腫、肺結核、出血性胃腸潰瘍。陰性心臓病、ネフローゼ。

 

○ 体質別入浴法

 ・陽性肥大タイプ(多血型)

   水浴、シャワー:血圧を下げる。

   サウナ:脂肪、塩分を抜く。

   ぬるい湯:脱塩、血圧を下げる。

 ・陽性萎縮タイプ(筋骨型)

      熱い湯を好む。

   塩気で体が硬くなり冷え性になっている人が好む。

   △な人は、第一大根湯、シイタケスープを飲んで入浴しても良い。

   みかんを食べるか、みかんジュース、りんごジュースでも良い。

 ・陰性肥大タイプ(水太り型)

   41~43℃の適温の湯。短時間。

   塩類泉なら血圧が低い人でも良い。

   醤油番茶、梅醤番茶、ヤンノーなど陽性な飲み物を飲んで入浴。

      陰性な人は朝湯は避ける。

 ・陰性萎縮タイプ(貧血型)

 

   入浴厳禁。

 

○ サウナ

   肉食をした皮下脂肪の多い人に適している。

   サウナは高温(100℃前後)だから脂肪が溶けだし、塩も抜きます。

   皮膚が緊張して周りが暑くなる(血液が表面に集まる)。

      発汗、入浴の7倍、毛穴が開き、中の汚れをとります。

   筋肉の柔軟性を出す。

   皮膚病、高血圧の人はミストサウナと温浴を交互に入ると効果が上がる。

 

   ドライサウナ       遠赤サウナ   ミストサウナ

        温度   90~110℃    65~90℃  25~40℃

    湿度   5~15%   5~15%   60~100%

        発汗    入浴の7倍     入浴の7倍   入浴の2~3倍

    タイプ  多血質に合う  多血質に合う  乾燥肌に合う

          脂肪太り    脂肪太り        アトピー等皮膚病

 

      汗を出しすぎると再吸収出来ない。

   ミネラル(ナトリューム、カリューム、カルシューム)も出過ぎる。

      サウナから出て、スグぬるま湯で汚れを落とす。

   アルコールの分解は出来ない。

 

○ 岩盤浴

 

   ホロストーン(岩盤)ベッドにタオルを敷いて寝る。

   1回15分程度、休憩5~10分、2~3回繰り返す。

   室温38~40℃、湿度70~80%

   サウナより温度が低く、乾燥がなくリラックスして長時間入ることが出来、全身の血行が良くなり、心地よい汗をかくことが出来ます。

   冷え性、神経痛、リュウマチ、高血圧、アレルギー性皮膚疾患、生理不順、その他生活習慣病等に効果があります。

 

 ※ 体質症状に合った飲み物を飲んで入浴するとより効果が上がります。

 

○ 長湯 危ない家庭の医学

    通常の深部体温  37℃

 41℃の湯 30分入浴 39℃

    熱中症の深部体温 39℃ 脱水症状

 42℃の入浴 PAI-1を血管内に大量に放出する。

  血小板を刺激し、血液を固まりやすくする物質。

  意識を失う(失神):血液が水っぽい。

            血液が酸化し、固まりやすい。 

 

○ ちょい熱湯が危険 ためしてガッテン

 βエンドルフィン:我慢を快感に思わせる物質。苦しいのが快感。

 入浴事故死:年間14、000人。12~3月に多く、60~80才代に多い

    心筋梗塞、脳出血による死(約10%)。46~47℃の入浴に多い。

  溺死:居眠りして水死(10%)。

  ナゾの溺死:意識障害(失神)が10、000人。42~43℃の入浴に多い。

 38℃入浴 125 血圧が下がり始める 1分後 112になる。

 42℃入浴 113 血圧が上がる    1分後 124になる。

  驚愕反射     その後下がる    8分後  92になる

    溺死でも肺に水がほとんど溜まっていない(失神)。水を飲まない溺死。

※ 浴槽の湯温 40℃にして、シャワーで43℃の湯を3分間浴槽に入れる。

  浴室の温度が上がると41℃の湯で満足できる、

※ 無双原理の目で見ると溺死する人の血液は水っぽい。

 

○ 薬用湯

 ・しょうぶ湯、ゆず湯

   昔の人は塩気を摂り、体をよく使い△になっていた。

   現在の肉食の人にも効果がある。

   脱塩は徐々に行うこと。

 ・干葉の腰湯(代用としてよもぎ湯)

    冷え性、婦人病、性病に効果。

   ▽の婦人病の人も、以前に動物性蛋白を多く摂っている。

   ▽の人には塩気を一掴み入れる。

    古塩も新塩も抜けるから塩を入れる。

   血圧が高い人は、後頭部に青菜パスターをして熱を下げる。

 ・生姜湯 短時間(5~10分)

   陽性婦人病、陽性皮膚病、リューマチ、躁鬱病、精神病など。

 ・栗の葉、松葉、杉の葉、檜の葉湯:湿疹

 ・桃の葉:アセモ

 ・米糠、小豆の粉、うぐいすの糞

   皮膚をなめらかにするから美容に良い。

 ・足湯(生姜湯など)

      足首から先をを入れるだけで全身が温まる。

   血液の半分が手足にある。

   リューマチ、関節炎、冷え性、水虫、痛風(温度を低く)などに効果。

 

○ 温泉療法

      100m深く掘ると2~3℃上がる。

   温泉法では25℃以上、鉱泉指針法では34℃以上を温泉。

   火山国で温泉が多いから昔から湯治場として利用されてきた。

   塩類泉以外は脱塩療法。

    周り(湯)が陰性なら、浸透圧で陽性が抜かれる。

   昔は塩気を摂り、砂糖、果物を摂らなかったから自然に陽性になった。

   干物、塩鮭を食べ、重労働でなおさら陽性になった。

   弘法大使が温泉のない所へ蒸し風呂を造った。

   湿度が高く塩気を摂る国では入浴を好む。