養生医学

学校給食

2017年01月06日

 

 学校給食で育った時代ととそれ以前に育った時代の違い 

 

 戦前から昭和20年代前半の日本の食習慣は、朝と昼は麦ご飯、夜はうどん、ひやむぎ、そうめん、山間部、寒冷地区へ行くと日本そばでした。食糧不足もあり一汁一菜の家庭が多かったのです。しかも、砂糖は貴重品で気軽に使うことはありませんでした。

 しかし、終戦後、学校給食にアメリカの余剰品のメリケン粉で作ったパン、脱脂粉乳、そして揚げ物など洋食風のおかずが出され、その味になれた子ども達は、家庭でも徐々にご飯、味噌汁離れが進むと共にパン、牛乳と洋食風のおかずが徐々に増え、しかも、主食よりも副食が多くなってきました。それと共に体位向上体力低下が目立つようになってきました。

 また、昭和30年以降になると経済的にも余裕が出来砂糖の入ったケーキ、チョコレート、クッキーなどのお菓子類、南洋から入ってくるバナナ、パイナップルなどの果物が多くなってきました。

 その上昭和35年以降食品添加物の入った食品が大量に出回り体質の悪化に拍車をかけました。

 

○ 牛乳、乳製品を摂ると骨が本当に丈夫になるか

    牛乳を沢山飲んでいる世界4大酪農国のアメリカ、スウエーデン、デンマーク、フィンランドの各国で、股関節骨折と骨粗鬆症が多いと言われています。

    乳糖というのは。乳製品に含まれる糖分のことですが、これを分解する酵素「ラクターゼ」は、年齢を経る毎に減少していきます。

  牛乳の蛋白質のカゼインは東洋人では消化されにくく、体内で異種蛋白となります。

  体に役立つカルシュームは、野菜、海藻などに含まれるイオン化カルシュームで、動物性食品に含まれる非イオン化カルシュームは、血液に溶けにくいから、細胞、骨などの材料とはなりにくい。

  反って、血液中で浮遊物となり、血管壁、骨、体細胞などに沈着し、動脈硬化を促進し、体全体も硬くなります。従って骨も硬く、弾力のない骨となり、骨折しやすくなります。

 

○ 玄米・大麦の消費量減少

  米の消費量が半分以下に落ち込み、パン、ラーメンの消費量が大幅に伸びています。

  日本では、イースト菌で膨らませ、柔らかいパンが販売されています。このような柔らかいパン を食べていると、胃腸の粘膜が弛むだけでなく、全身の組織細胞、臓器も緩み、生活習慣病、肥満 タイプの増加の一因となっています。当然骨ももろくなり骨折。骨粗鬆症、側湾症の増加となりま す。この点については、酵母パンも同じ事が言えます。

  ラーメンは、鹹水で麺をちぢれさせています。鹹水は胃の粘膜を弱くします。又、インスタントラーメンは油を使い、高温で処理してあるためビタミンB2が破壊されて消化が悪くなっています。

 

○ 世代による変遷

 戦前、戦時中世代:麦ご飯、うどん、そうめん、弁当のおかず、主食の1/4程度、日の丸弁当の人もあった。

          ニボシ、鰹節の出し、時々干物程度。

          体力、持久力、根気もあった。

 昭和20年代世代:家庭では上記とおおむね同じ。時々卵、コロッケ、

          小学校で給食、パン、脱脂粉乳、中学校弁当。おかず1/3程度、

          外で遊び回る。比較的体力はあった。

 昭和30年代世代:家庭でパン、牛乳、魚、肉も食卓に出る。年に数回チョコレート、ケーキ。

          小中共給食。弁当の時おかず1/2以上。

          外での遊びが徐々に減少。

 昭和40年以降世代:家庭でパン、ラーメン、牛乳、肉、卵、ハム、ソーセージが増える。おかず食いの間食食い、主食不足。

           練り製品、インスタント食品、レトルト食品の増加と共に食品添加物、農薬、化学肥料などが大量に使用され始める。

           小中共学校給食。弁当の時おかず、主食と同量以上になる。

           外での遊びが少なくなる。50年代以降テレビゲームが増える。

           特に50年代以降体位向上体力低下。キレる子が出始める。

 

○ 体位向上、体力低下

 米の消費量減少、パン食の増加、牛乳、動物性蛋白の消費量急増、甘い菓子、清涼飲料水、コーヒーの消費量増加、食品添加物、医薬品、成長ホルモン剤、抗生物質、ビタミン剤などの急増により、体全体が弛み身長、体重が増加し、体位向上、体力低下となって表れました。

 動物性食品の酸化した極陽性を摂れば、当然陰性食品を要求し体位は向上しますが、握力、背筋力などは下がってきます。

 

○ 根気がなくなり、キレる

 本当の体力は、瞬発力ではなく、持久力です。肉食をすると瞬発力は良くなるけれど、持久力は主食中心の人です。マラソン、トライアスロンなどの優秀な選手は、後進国の粗食で体を鍛えた人が多いのです。自然界を見ても持久力のある動物は草食動物です。

 持久力のある人は根気よく働け、真の体力のある証拠です。

 もう一つ、キレる子は、脂物の摂りすぎで、持久力、根気のない子が多いのです。 

 

○ 食生活の変遷

 戦前と平成を比べると米の摂取量は半分以下になり、肉は13倍、卵は7.3倍、乳製品は28倍となっています。それに比べ動物性蛋白、脂肪の分解酵素の多い野菜は1.4倍、果物は2.7倍程度で、主食、野菜不足となり、動物性蛋白過剰の弊害が若い世代のガン、生活習慣病、精神病等の急増となっています。

 夢、希望を持たないニート達の増加も主食不足が原因です。主食をしっかり食べ、体力、根気があれば将来に対する夢、希望を持って行動します。

 

○ 玄米の効用(玄米は生きている)

 玄米はナゼ体に良いかと言えば次の通りです。

1.生きている。生命力がある。

  玄米は蒔けば芽が出て根、茎、葉が出て最後に実がなる。

1.最高の一物全体食である。

  玄米を食べれば根、茎、葉のすべてを食べることになる。

  米偏に康と書くと糠。米偏に白と書くと粕です。

1.必須アミノ酸を多く含んでいる。

  不足するアミノ酸は胡麻の中に含まれている。だから玄米ごはんに胡麻塩をかける。

1.デンプンだけでなくタンパク質、脂肪、ミネラル、繊維も多く含み栄養のバランスが人間に合っている。だから、玄米を食べていればおかずは少なくても大丈夫です。

1.化学物質を吸収するフィチン酸が外皮に含まれている。

  白米にはこれが含まれていない。

1.外皮(繊維が多い)が腸を刺激して通じが良くなるから便秘が解消する。

  白米には繊維がないから腸の動きが悪くなり便秘が多くなる。

 ・麦には必須アミノ酸のリジンが不足すす。

 ・白米も必須アミノ酸が不足です。

 ・澱粉は中庸に近い陽性です。  

 

○ 魚を食べて長生きの地区の主食、麦と芋

 魚を食べていながら長生きの地区は、主食に麦、芋類を食べています。大麦、裸麦、小麦(麺類)を摂っていたと考えられます。

 現在では、肉卵の消費量が増えているから、小麦製品でも良いでしょう。但し、パンは胃腸の粘膜を弱めます。

 もちろん、玄米を食べて美味しく、しかも体調が良ければ玄米を1日1回食べて下さい。