養生医学

玄米を食べると元気になれるか

2017年01月06日

 

○ 玄米の効用(玄米は生きている)

 

 玄米はナゼ体に良いかと言えば次の通りです。

1.生きている。生命力がある。

  玄米は蒔けば芽が出て根、茎、葉が出て最後に実がなる。

1.最高の一物全体食である。

  玄米を食べれば根、茎、葉のすべてを食べることになる。

  米偏に康と書くと糠。米偏に白と書くと粕です。

1.必須アミノ酸を多く含んでいる。

  不足するアミノ酸は胡麻の中に含まれている。だから玄米ごはんに胡麻塩をかける。

1.デンプンだけでなくタンパク質、脂肪、ミネラル、繊維も多く含み栄養のバランスが、

  人間に合っている。だから、玄米を食べていればおかずは少なくても大丈夫です。

1.化学物質を吸収するフィチン酸が外皮に含まれている。

  白米にはこれが含まれていない。

1.外皮(繊維が多い)が腸を刺激して通じが良くなるから便秘が解消する。

  白米には繊維がないから腸の動きが悪くなり便秘が多くなります。

 ・麦には必須アミノ酸のリジンが不足する。

 ・白米も必須アミノ酸が不足です。

 ・澱粉は中庸に近い陽性です。  

 

○ 玄米を良く噛む

 

 澱粉は胃でほとんど消化されません。従って良く噛み唾液を充分に混ぜ、アミラーゼにより澱粉を葡萄糖に変えることが大事です。少なくとも病気を治す時には1口毎に箸を下に置き100回以上噛むこと。良く噛むことにより澱粉が赤い血液になります。

 穀類を良く噛まずに食べると消化不充分で食べた物が発酵しガスが出来、血液を酸化させ、すべての病気につながります。

 良く噛めば唾液が充分に混ざり少食で満腹感が得られます。大食の人は良く噛んでいない証拠。

 血糖値が下がると空腹感を感じ、血糖値が上がると満腹感を感じ満足します。

 食事を始めて血糖値が上がり始めるまでには約15~20分を要します。だから早食いの人は満腹を感じる前に食べ過ぎます。

 

○ 咀嚼の効用

 

 食べ物を細かく砕く。

 唾液を出し、アミラーゼにより澱粉を消化します。

 若返りホルモンのバロチンを出す。

 脳の血液循環が良くなる。

 歯、歯茎を丈夫にする。

 殺菌作用。虫歯も予防する。

 

○ 年中玄米を食べられる人は中庸な人

 

 玄米が一年中美味しく食べられる人は中庸な人です。陽性な人は夏場は玄米を重くなります。極陽性な人は寒い冬でも冷や麦を食べます。

 やや陰性な人は、夏場でも玄米は入りますが、消化能力が大幅に落ちていると玄米が重くなります。そのような時には玄米粥、玄米クリーム、葛の固練りを摂ります。或いは煮込みうどんを摂ります。

 陽性な人は、玄米が重くても陰性な麺類、野菜が美味しく食べられ体調も順調です。しかし、陰性な人は陽も陰も入りません。

  昭和35年以降、日本も徐々に裕福となり、食品が豊富で富裕層だけでなく一般庶民も気軽に暴飲暴食が出来る世の中になってきました。

 それだけに腹八分で済ませることが困難な時代になりました。

 特に動物性食品は、うなぎ登りで消費量が増えています。

 

○ ナゼ日本酒の消費量が低迷するか

 

 動物性蛋白の摂取が多くなり、体が焼けているから日本酒は敬遠されビール、ワインなどの洋酒が好まれています。

 それと同じように主食も米より、麦製品のパン、中華ラーメンの消費量が増えています。

 食生活が大幅に変われば、当然体質も変わります。その変化を見逃さずに、食事の内容も変化させなければ、心身の健康を取り戻したり、維持することは出来ません。

 又、体質が変われば嗜好品も変わってきます。体調が陰性に傾けば陽性食品を好むし、陽性過多になれば陰性食品を好みます。

 昭和30年頃までは、動物性食品と云っても魚が中心で、肉卵の消費量は少なかったから米を発酵した日本酒を飲んで体を温めていました。しかし、肉卵の消費量が大幅に伸びて来ると共に麦を発酵させたビール、果物を発酵させたワインなど体を冷やすアルコール類の消費量が急増しています。

 魚は、Naが多いけれど低温動物です。だから体を温める日本酒を好み、高温動物の肉卵を摂ると血液が酸化し、体が焼けるから体を冷やす洋酒を好みます。

 日本酒の消費量を増やすには、国民に魚中心の食生活に戻さなければ復活は出来ません。

 

○ 中華ラーメン、パスタが好まれる

 

 高温動物の肉卵の消費量が多くなると共に米の消費量が大幅に落ち込み、中華ラーメン、パスタ(スパゲティー、マカロニ)の消費量は反対に急激に増えています。

 これは、無双原理の目で見れば、肉卵を食べ体が焼けている時に、夏の太陽エネルギーをたっぷり受けた米は体が受け付けません。かえって、日照時間の少ない冬に育った麦製品(パン、中華ラーメン、スパゲティーなど)が好まれます。

 

○ 陽性過多にはうどん、お焼き

 

 小学生の頃、夏休みの間は父親の実家で過ごしていましたが、叔父叔母達は、夏の炎天下で農作業を済ませた後の昼食は、冷や麦に胡瓜、トマト、ナス、いんげん豆など陰性な物を食べていました。炎天下で汗を出し、血液が濃縮されると陽性な食べ物は入りません。

 昨今では、炎天下で作業をしなくても、食生活の洋風化で高脂肪、高蛋白の食事を摂り、血液が酸化し、体が燃えていると、自然に陰性食品を好み、ビールやワインの摂取量が多くなるのも当然です。

 但し、陰性な主食と言っても、イースト菌、天然酵母で作ったパンでは胃腸が緩み、鹹水でちぢれさせた中華ラーメンは胃壁を荒らし、肝臓も悪くします。

 

 日本の伝統食うどん、ほうとう、冷や麦、そうめん、お好み焼きなどが無難です。その他、マカロニ、スパゲティーも使って下さい。

 中庸な体に近づき玄米が美味しく食べられ、しかも食べた後、或いは翌日に体調が良ければ玄米を食べて下さい。