養生医学

病気にならない生き方

2017年01月07日

 

新谷 弘実 アルバート・アインシュタイン医科大学外科教授

 

 大腸内視鏡の挿入法を考案し、開腹手術することなく大腸内視鏡によるポリープ切除に成功する。30万例の胃腸内視鏡の検査、9万例以上のポリープ切除術を行っている。内視鏡手術の第一人者。

 死亡診断書を書いたことがないことを誇りに思っておられます。

 

○ 老廃物を出し、酵素を作る生活を推奨。

 ・食事の30~40分前に水を飲む。1日に2㍑程度。

 ・食事の30分前に果物を食べる。酵素を補給するため。

 ・食事は、玄米、野菜、海藻、果物、魚を食べ、肉は食べない。

 ・無理のない運動を毎日行う。

 ・毎日、1~2回「コーヒーエネマ(コーヒー浣腸)」といって。コーヒーの入った水にミネラルや乳酸菌生成エキスなどを加え、腸を洗う。

 

○ 胃相は日本人が悪く、腸相はアメリカ人が悪い。しかし、最近日本の若い層では腸相も悪くなっている。

* 日本は白米と副食に砂糖を使い胃が悪くなり、欧米では動物性食品と飲み物で砂糖を大量に摂取するから腸が悪くなります。

 

○ 健康な人の胃腸は美しく、不健康な人の胃腸は美しくない。

  胃相・腸相にもっとも大きな影響を与えているのは、食歴と生活習慣です。

  医師がどれほど頑張っても、治療だけでは本当の意味で患者さんを健康にすることは出来ません。手術や投薬よりも、日々の生活を改善することの方が、根本的にはより重要なのです。

  東洋医学には「未病」という言葉があります。これは読んで字のごとく「まだ病 気にはなっていない」という状態を表す言葉です。つまり、健康とは言えないが、 まだ病気にはなってもいないという「病気の一歩手前」の状態です。現在の日本人には、じつはこうした「未病」の人がとても多いのです。

   健康でいられるか否かは、その人の食事・生活習慣次第と言う事です。

* 日本人のほとんどは半健康人です。

 

○ 流行の健康法にウソがいっぱい

 ・腸のために毎日ヨーグルトを食べるようにしている。

 ・カルシューム不足にならないよう、毎日牛乳を飲んでいる。

  アメリカ人の大半は、毎日たくさんの牛乳を飲んでいる。

  しかし、非常に多くの人が骨粗鬆症に悩んでいる。

 ・果物は太るので控え、ビタミンはサプリメントで摂る。 

 ・太り過ぎないよう、ごはんやパンは控える。

 ・高蛋白、底カロリーの食事を心がけている。

 ・水分は、カテキンの豊富な日本茶で摂るようにしている。 

  お茶をたくさん飲む習慣のある人の胃相は悪い。

  タンニンと言うのは、植物が持つ「渋み」成分。

  熱湯や空気に触れると容易にタンニン酸に変化する。

  タンニン酸は動物性蛋白を凝固させる働きがあります。

 ・水道水は、残留農薬を抜くために沸騰させて飲んでいる。

 

○ 肉を食べてもスタミナはつかない。

   1977年 マクガバン・レポート

 ・多くの病気の原因がこれまでの「間違った食生活」にあると結論づけられていたからです。今の食生活を改めない限り、アメリカ人が健康になる方法はないと断言していたのです。

  ・元禄時代以前の食事と言うのは、精白しない穀類を主食に、おかずは季節の野菜、や海草類、動物性蛋白質は小さな魚介類を少量捕っていたのです。

 ・肉を食べなければ筋肉が育たないと言うのは真っ赤なウソ。

  ライオンより、草食動物の牛や鹿のほうが、はるかに発達した筋肉を持っています。ライオンが得意とするのは瞬発力を生かしたスピードです、

 ・肉を食べなければ体が大きくならないと言うのもウソです。像やキリンは、ライオンや虎より何倍もの大きさがありますが、彼らは草食動物です。

 ・成長を速める動物食は、別の言い方をすれば、老化を早める食事ということになります。

* 肉食は血液が酸化し、瞬発力はあるが、スタミナは草食動物には勝てません。また、寿命も草食動物が長いのも事実です。

  知能を発達させ、集団生活、文化(言葉)を発展させたのは穀類を食べ、火を使った人間だけです。

 

○ 肉食が腸相を悪くする最大の理由は、食物繊維がなく、脂肪やコレステロールを大量に含んでいることにあります。

  食物繊維がないために便が極端に少なくなり、過剰な蠕動運動により腸壁の大部分を構成する筋肉が鍛えられて厚く大きくなってしまうのです。こうして腸は硬く短くなっていきます。腸壁が厚くなると、内腔が狭いうえに、まるでところところ輪ゴムで縛ったようなリング状のでこぼこが出来ていたのです。

   脂肪も大量に摂取して、腸周辺の脂肪層が厚くなるので、さらに腸壁に圧力がかかる。

* 蛋白質は膨れる性質があるから腸壁、血管壁等が分厚くなる。

  腸ヘルニア、臍ヘルニアも蛋白と砂糖の摂りすぎ。

  蛋白質にはNaが多く、腸壁、血管壁等が硬くなる。

 

○ 日本人の胃癌発生率は、アメリカ人の十倍

  胃の粘膜が薄くなる萎縮性胃炎になる人は、日本人のほうが20倍近く多く、

 胃ガンの発生率も日本人のほうが10倍も多いのです。

  アメリカ人があそこまで太れるのは消化器官が丈夫だからといえます。

  アメリカ人は、胃や食道の粘膜がかなり荒れていても胃の痛み、不快感、胸焼けの症状を日本人ほど訴える人はいません。

  アメリカ人は、日本人より油を多く摂り、油にはビタミンAを含み、ビタミンAは粘膜をプロテクトする働きがあるから自覚症状が少ないのです。

  アメリカ人には消化酵素の量が多い。

  日本人は、胃酸を抑える薬をスグ服用するから、胃を悪化させるのに拍車をかける。

* 白米の多食で乳酸が出来、副食に砂糖を使用し血液を酸化させている。

 

○ 胃薬を飲めば飲むほど胃は悪くなる。

  人間には非常に強い酸で保護されることによって正常に機能する場所が二ヶ 所あります。一つは「胃」、もう一つは「女性の膣」で、pH1.5~3という強 酸を示しますが、その役割の一つは、バイ菌を殺すことにあります。

   食事のたびに胃に入ってくるバイ菌は3千~4千億と言われている。

  体を守るのに必要不可欠な胃酸を薬で抑えるとバイ菌はフリーパスになる。胃酸の分泌が抑えられると消化酵素を活性化させるペプシンや塩酸が不足し、消化不良をおこす。

   充分な胃酸がないと鉄、カルシューム、マグネシュームなどのミネラルの吸収が阻害される。

   胃酸を抑えると腸の中の細菌バランスが崩れ、免疫力の低下を招く。

○  腸の中には3百種、百兆個の膨大なバイ菌が住んでいる。

  ビフィズスなどの善玉菌、ウエルシュ菌などの悪玉菌、大多数は中間菌。

    人間の腸内の温度は37℃程度で、不消化な食べ物が腐敗しやすい。

  胃薬を飲めば飲むほどダメージは大きい。

  胸焼けは、胃酸が食道に逆流する事によりおこる。

  胸焼けを防ぐには、暴飲暴食、たばこ、アルコール、コーヒーを控える。

  夕食は寝る4~5時間前に終え、寝るときには胃をからっぽの状態にする。胃酸を抑える胃薬を飲むと、胃の絨毛の機能が低下し、短くなり胃の粘膜が萎縮する。胃粘膜が薄くなり、萎縮性胃炎に移行する。

  漢方薬であろうが、化学薬品であろうが、薬が体にとって毒であることに変 わりありません。

    長年、薬、酒、たばこはもちろん、農薬や食品添加物が入らない食事を続けていると「薬」が入ると体は非常に敏感に反応します。

  逆の食生活を続けると薬の耐性ができ、薬の刺激に鈍感になります。

  バイアグラの粉を少しなめただけで鼻づまり、息苦しさ、顔がはれたような感じがしてきました。効果が早く現れる薬ほど毒性も強い。

  男性の不妊の原因も、いろいろな強い制酸剤を服用したせいであると言って過言ではない。

* 患者に投与する前に、自分で服用する姿勢は素晴らしい。

  男性の不妊には、砂糖、アルコールも関与しています。

 

○ 人間は60兆個の細胞で形成されているから、細胞レベルで検討が必要です。

    人間の体を細胞レベルで見ると、つねに少しずつ細胞が入れ替わり、短い場所では数日、長い場所でも数年で変わると言われています。

  その新しい細胞を作っているのは、日々摂取している食べ物と水です。その食べ物と水の質が、その人の健康を左右するのは当然といえるでしょう。

   食事や水の質が悪ければ、それを取り入れる胃腸が真っ先にダメージを受けます。

* 食べ物の質が、血液の質を変え、細胞が変わります。

 

○ 酵素の量と活性度が健康状態に大きく影響し、消化吸収、細胞の新陳代謝、体内に入った毒素の分解、解毒にも酵素が活躍しています。

  体内にある酵素の量が、その生命体の「命運」を握っていることは確かです。

  体内で働いている酵素 5千種以上、腸内で作られる酵素 3千種以上。

* 正しい食養で塩気の効いたキレイな濃い血液であれば酵素は自然に出来ます。

 

*  彼の功績

 ・医師の立場で、ハッキリと薬、抗ガン剤、放射線、手術、農薬、食品添加物など、人間にとって有害であることを説いていること。

 ・玄米と野菜中心に多少の魚と言う食生活を勧めていること。

 ・西洋医学の臓器別の医療に疑問を投げかけ、酵素、自律神経などの働きを重点に置いていること。

 ・欧米風の高蛋白の食生活が健康に弊害があると公表していること。

 ・「乳製品を多用した民族に骨粗鬆症に悩んでいる人が多い」と公表したこと。

 

*  もう一歩突っ込んだ研究を望む

 ・酵素、自律神経の働きを左右するのは血液の質であること。

 ・その血液の質を左右するのは食べ物にあること。

 ・東洋哲学の陰陽を理解されること。

 ・真の健康は、体質症状に会わせた食生活が必要であること。

 ・砂糖の害について触れていない。

 ・動物性蛋白に含まれるNaの害について触れていないこと。

 ・調味料の塩(イオン化Na)の必要性にいて触れていないこと。

 

* 食養の立場で考察

 ・ポリープには良性と悪性がありますが、いずれにしても陽性の腫れ物であるから、内視鏡による切除で効果をあげています。しかし、浸潤性のガンでは、危険を伴うことが多い。但し、▽ガンは肉食のアメリカでは少ないタイプ。

 ・確かに胃腸内がキレイで、酵素を繁殖しやすい状況を作ることは必要です。

  しかし、貧血による浸潤性の胃ガン、肺ガン、白血病に毎日大量の水を飲ませたり、果物を食べさせ、浣腸を毎日して、病を治すことは不可能です。

 ・食前に水を飲むのは不自然、水不足の地域では不可能。消化液が薄められ、有益な酵素が洗い流される。

 ・人類史上大量の水を毎日飲む習慣はなかった。動物も同じです。

 ・チンパンジーの胃腸はキレイだったと言っていますが。大量の水飲み、浣腸は行っていないはず、

 ・食前に果物(▽な酵素)を摂ると▽な人は胃の機能低下を招く。

 ・味噌、醤油、たくあん、梅干しなどの△な酵素が必要です。

 ・穀菜食で良く噛んで食べれば体内で酵素、有益な細菌は作られる。

 ・浣腸をすると老廃物、悪玉菌を出すが、善玉菌も出します。

 ・▽な病人が浣腸すると体力を消耗し危険です。