養生医学

ホルモンの働き

2017年01月06日

 

 内分泌と外分泌があり、外分泌とは分泌腺から体の表面や消化管などに分泌されることである。それに対し内分泌とは、分泌腺から血管内やリンパ管内に分泌されることであります。内分泌腺から放出される物質をホルモンと言います。ホルモンは微量で作用します。

  天然に存在するホルモンは左旋性で、有機合成されたホルモンは右旋性です。

 ホルモンの出すぎ、不足共に病気です。

 

○ 内分泌器

 内分泌器とは、多細胞生物、特に動物において、ホルモンを分泌する器官のこと。ホルモンを分泌する腺なので、内分泌腺ともいう。

 内分泌腺:脳下垂体、松果体、甲状腺、膵臓、副腎、卵巣,前立腺、睾丸。

      なお、胸腺は内分泌腺ではありません。

 内分泌系はホルモンを作り,貯め,必要に応じて血管に放出する。

 

○  脳下垂体

 脳下垂体は、脳低の中央部から下方に垂れ下がった小さな内分泌器官で、後葉(神経葉)・前葉・中葉の三つの部分に区別される。

 脳下垂体ホルモンは、各種の刺激ホルモンを分泌することによって、他の各内分泌腺が適正なホルモン分泌を行えます。つまり、脳下垂体ホルモンは、からだの機能をコントロールする役割を持っています。すべてのホルモンは、視床下部からの指令によってホルモンを分泌する。

 この脳下垂体にできる良性腫瘍には、ホルモンを作らない腫瘍と作る腫瘍があり、成長ホルモンを過剰に分泌する腫瘍ができると先端巨大症になります。

 ホルモンも血液から出来るから、血液が脳下垂体をコントロールし、血液は食べ物で左右されるから、正しい食事を摂ればホルモンバランスが保たれます。

 

○  松果体

 松果体は脳の、間脳の中にある赤灰色の器官で、昔は1つであると言われてきた。近年になり、左脳、右脳に細かく分かれているらしい、とわかった。

 不思議なのは、松果体は、受胎して、わずか3週間ほどで完成される。この松果体、思春期以降は退化する。大人になると殆んどが石炭化するのである。

 松果体からは、メラトニンが分泌され、睡眠の調整や抗酸化物質としても働く。老化防止には必要なホルモンである。

 ただ、大人になると、子供に比べ極端に減るため、刺激を与えないといけない。

また松果体は、電波感知器官とも言われ、外部の電波刺激により、携帯電話や炊飯器などの電磁波により、活動に異変を起こす。

 この宇宙の波動と共鳴・共振するときの入り口が「間脳」の中にある「松果体」という小さな器官です。

 

○  甲状腺

 甲状腺とは、頚部前面に位置する内分泌器官で、 甲状腺ホルモン、カルシトニンなどのホルモンを分泌、ヒトの甲状腺は、重さが15~20 g程度、上下方向に3~5 cm程度の長さがあり、H型をしています。

 甲状腺ホルモンは体内でさまざまな物質の代謝を促進する働きをしており、これがないと人間は生きられないのです。甲状腺の病気を有する人は結構多くて、成人の10%以上に何らかの異常があるといわれています。性別では女性に多く、特に20~30歳代で発症することが多いようです。

・甲状腺ホルモンの作用

 「成長期における甲状腺ホルモンの不足は低身長を引き起こす」のは成長ホルモン遺伝子の転写活性化が不十分で、その量が減少するせいです。

・甲状腺機能亢進症

 何らかの原因により、甲状腺ホルモンが異常に多く分泌される状態で、症状としては「疲れやすい、体がだるい」「動悸・頻脈」「息切れ」「発汗過多」「手の震え」「体重減少」「イライラ感」などがみられます。代表的な疾患として「バセドー病」があり、「のどぼとけ」の下が腫れ、眼球突出、心房細動という不整脈の原因にもなり、心不全になって初めて診断される場合もあります。

 免疫は外部からきたウイルスや細菌などの異物や老朽化や傷んだ細胞を攻撃します。これにより我々の身体は「正常な細胞の集まりとしての生命」が維持できるのです。

 ところが、正常な細胞や身体の一部を、敵として誤認し、これを攻撃しておこる病気のグループがあります。これを「自己免疫疾患」と呼びます。

 バセドー病:顔色が青く、血の気がない。

       卵醤、鉄火味噌など陽性食を入れる。

 手当:甲状腺の腫れには里芋パスター、眼球突出には塩番茶で洗う。

    胸部だけの寝汗にはカキフライ。 

 若い人の甲状腺機能亢進症:動悸、甲状腺の腫れ、眼球突出の3つの特徴がそろっていることが多い。 

 高齢者の甲状腺機能亢進症:体重減少のみが目立ち、動悸や眼球突出などが目立ちにくい。

 

・甲状腺機能低下症

 甲状腺ホルモンの分泌が不足する状態で、症状としては「体のだるさ」「寒がる」「浮腫(体のむくみ)」「眠気、うつ状態」「体重増加」などがみられます。 血液一般検査では、「肝機能異常」「高脂血症」を指摘されることもあります。また、若い女性で生理不順の原因にもなります。

 自己免疫反応のためにおこる慢性の甲状腺炎を「橋本氏病」と呼んでいます。このホルモンが低下すると元気がなくなり、動脈硬化などの老化が早まります。甲状腺ホルモンは全く無くなると、1ヶ月ぐらいしか生きられないと言われています。甲状腺機能低下症では甲状腺は萎縮して小さくなることが多いため、甲状腺の腫れはあまりみられません。

 甲状腺の働きが高度に低下すると、むくみや活動性の低下がはっきりとでます。しかし、軽症ではなかなか気づかれにくく、中等症でも見落とされたり、別の病気と誤診されることが大変多い病気です。

 食養の基本食に緑黄野菜も少し必要です。カルシュームを摂取するのに海藻、大根場なども必要です。

 

○  インスリン

 島状の細胞集団を形成している150㍉ミクロンぐらいのランゲルハンス島が膵臓全体にちらばって存在します。

 インスリン:血糖を下げるはたらきがあり、不足すると高血糖、糖尿病になる。

       おできが治りにくい、だるい、無気力、臓器が緩む。

       不足すると低血糖症になる。甘い物の摂りすぎ.

              昏睡になったとき:甘い物が必要。

 グルカゴン:逆に血糖を上げるはたらきがある。

 脂肪と甘い物の取り過ぎが原因です。

   アミラーゼ(でんぷんを分解する)。

  リパーゼ、ホスホリパーゼA2(脂質を分解する)。

  トリプシン、キモトリプシン(たんぱく質を分解する)。

 

○  コーチゾン(副腎皮質ホルモン)

 副腎皮質ホルモンは副交感神経に働き、臓器を収縮させる。

 炭水化物、脂肪、およびタンパク代謝を制御し、生体にとって必須のホルモンであり、このホルモンは、過剰なストレスにより多量に分泌された場合、脳の海馬を萎縮させることがあります。

 ステロイド系抗炎症薬(SAID)の1つとして臨床使用される。ステロイド系抗炎症薬は炎症反応を強力に抑制し、炎症の全ての過程に作用する。急性炎症、慢性炎症、自己免疫疾患、アレルギー性疾患、ショック、痛風、急性白血病、移植片拒絶反応などの治療に使用される。副腎皮質機能不全、胃潰瘍などの副作用が現れる場合もある。

 

○ アドレナリン(副腎髄質ホルモン)

 副腎髄質ホルモンは、交感神経に働き、臓器を拡張する。

 アドレナリンは、強いストレスがあったり、闘争や攻撃などに備えるときには交感神経が興奮した状態になり、心臓の動悸が速まり、毛細血管は収縮するので血圧が上昇する。アドレナリンを投与すると類似の症状がみられる。

 

○ 女性ホルモン(卵巣ホルモン)

 卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲンは、内膜の細胞分裂を活発にし、子宮筋を厚くし、内膜が十分に厚くなると卵巣は卵子を排卵し、今度は、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌し、受精卵が着床しやすいように内膜を維持し、妊娠しない場合は、プロゲステロンの分泌が止まるため、子宮の内膜ははがれ落ち月経となります。

 女性ホルモンは脂肪から造られ、閉経と共に少なくなります。

 女性ホルモンは、女性を女性らしい体格や体質を作り、髪の毛、脇毛、陰毛に影響を及ぼします。

 動物性蛋白を摂ると副腎で男性ホルモンを造り毛深くなります。

 思春期に乳腺を発達させ、骨盤の発達など女性的な骨格をつくります。さらに第二次成長では、皮下脂肪を蓄えるといった「女らしい体」をつくりあげます。

 女性が一生の間に出す女性ホルモン量は、ティースプーン1杯分。男性の体の中の女性ホルモンは、女性の半量のティースプーン1/2杯程度です。

 男性の体内の男性ホルモン量と、女性の体内の男性ホルモン量を比べると男性

 

は女性の10倍多いそうです。

 女性ホルモンと男性ホルモンの微妙なバランスがあってこそ、性機能を含めて体全体の生命の営みができる仕組みになっているのです。これは、人間だけに限ったことではありません。男性ホルモンと女性ホルモンのどちらか一方だけしかない動物などというものは少なくとも地球上には存在しないはずです。

 

○ 男性ホルモン

 男性ホルモンは、睾丸と前立腺で作られ、筋肉量の増加が促され、男性らしい体つきになったり、声変わりが起こったりします。

 男性ホルモンを増やすには亜鉛が必要です。

  玄米、日本そば。

  小豆、黒ごま、コーヤドーフ、乾燥湯葉、油揚げ。

  数の子、レバー、牛肉、カキ、卵、小魚、うなぎ、ウニ。

 男性ホルモン:毛深くなる。

 

○ パロチン(若返りホルモン)

 唾液は、分泌される部位によって性質が違いますが、自律神経の影響を受けやすいため、ストレスなどの状態によっても性質が違ってきます。

 パロチンがたくさん出ると、筋肉・内臓・骨・歯などの生育・発育が盛んになり、若さを保ちます。 

 唾液が少ない人はドライマウスになりやすく、それは口臭の原因にもなり、パロチンもあまり分泌されないことになります。 

・唾液の分泌を高める方法 

 よく噛む:若返りホルモンのバロチンが多く出る。

      強アルカリ。澱粉を分解し、ブドウ糖にする。

      顎が丈夫になる。大脳を活性化させる。

 唾液は腎臓で作られ、涎は膵臓で作られる。

 腎虚になると生命力は弱くなる。

 

○ 胸腺ホルモン

 心臓の上(胸骨の裏面)にある胸腺は、Tリンパ球を作り出す組織で、ホルモンを産生する内分泌器官であることも知られています。新生児で12~15グラムある胸腺は、その後減少し40代では脂肪組織に換わってしまいます。そして老年期には痕跡をとどめている程度になってしまいます。

 成長ホルモンを出し、不足すると成長が止まり、その代表がくる病です。

 蛋白を摂りすぎ、横へ広がるが背が伸びない。穀菜食でも小豆を摂りすぎて、陽性になりすぎると発病することがあります。

 りんご、とうもろこし、麺類。

 日本人は乳製品と砂糖で背が伸び、気胸になる青年がある。

 アメリカなど欧米ではとうもろこしで背が伸びると共に肩幅も広くなる。