養生医学

古塩の抜き方

2017年01月06日

 

体質改善:古塩を抜き、新塩を取り入れる。

      言葉で言うのは簡単、実際に古塩をどのように抜くかが問題。

 

○ 古塩とは

 調味料の塩気は血液に溶け(イオン化Na)、その塩気が血液を動かす。

 動物性蛋白中のNaは水に溶けることが出来ず、血液中の浮遊物として全身に運ばれ、血管壁、内臓、骨、組織細胞などに沈着します。

  古塩とは、そのように組織細胞に入り込み動くことのない塩気です。言い換えれば死んだ塩気です。

 この塩気が動脈、毛細血管、内臓、末端の組織細胞を硬くします。

 手の平、手の甲、足の踵などがカサカサの人も、この古塩の蓄積です。

  タコ、魚の目も、この古塩の蓄積です。

 動物性蛋白中に含まれるから粒子が大きく腎臓の網の目を通りにくい。

 もう一つ、大事なことは調味料の塩気はカロリーはありません。物を収縮させる陽性だけです。

 しかし、動物性蛋白に含まれるNaは、蛋白に包まれているからこの蛋白のカロリーがあります。

 それだけに古塩の蓄積のある人は、カロリーの摂取量を落とし、塩味も一味か二味薄くします。

 

○ 塩気の違い

        調味料の塩気  動物性蛋白中の塩気

 粒   子   小さい     大きい(蛋白に包まれているから)

  水   に   溶ける     溶けにくい

 腎臓で濾過   通りやすい   通りにくい

 塩 辛 い   感じる     感じない

 カロリーの蓄積 ない      ある

 

○ 古塩の抜き方

・多血型:Naが多く、Kは正常に近い。

     体液の塩分濃度が高い。陰陽双方過多。

     高温動物の摂りすぎで血液の酸化が激しく、気性も激しい。

     蛋白、脂肪が多く細胞は萎縮していない。

     血液が細胞の中へ浸透しやすい。

     緑黄野菜、果物などビタミンC、Kの多い塩分を抜く食品を摂る。

     無塩食、酢、香辛料も有効。

     隠し味の塩気を入れると古塩を抜きやすい。

      浸透圧の関係で脱塩しやすい。

      自律神経が偏りすぎないため。

 

・筋骨型:Naは正常、Kが少ない。

     体液の塩分濃度は普通か高い。

     ニボシ、鰹節、干物、甲殻類の摂りすぎ。

     K不足で、塩気・蛋白過多により細胞が硬い。

     血液が細胞の中へ浸透しにくい。

     麦製品を多めに摂る。麦ご飯、ほうとう、うどん、そうめんなど。

     手の平の皮膚が硬い人は、しばらく玄米を抜いても良い。

     芋類、豆腐などKが多く、細胞を弛める食品を摂る。

     塩味は一味薄目にする。

     無塩食は向かない。但し、実践するときは短期間。過食症の人はOK。

 

○ 運動と入浴

 軽く汗が出る運動。

  ウォーキング(早足)、山歩き、スロージョギング。

  スクワット、片足立ちで筋力をつける。

 入浴方法

  薄い醤油番茶・梅醤番茶。

  第一大根湯、シイタケスープ、果汁。

  入浴温度、時間は体質によって異なる。

  脱塩するにはややぬるめで、長時間入る。

  多血型はサウナを好み、筋骨型はミストサウナを好む。

 

○ 健康の目安(中庸で健康な人)

1,1日にお小水は3~4回、50才以上は4~5回、夜間トイレに起きない。

  朝起きた時は透明でビール色、泡が立たない。

1,大便は1日1回、黄色か、うす茶色でバナナのような太くて長い便。

1,脈拍は60~70程度。

1,女性の生理は28~30日周期、4~5日間で終わる。色は紅色。

1,5分以内に熟睡、朝予定の時刻にパット目が褪め、睡眠時間は5~6時間。

1,普段、慣れた仕事をしている程度では疲れない。脈拍は60~70程度。

 

 この条件を常日頃満たしている人は中庸に近いと言えます。中庸を維持出来ていない人は無双原理を理解すると共に正しく食養を実践しないと達成は困難です。この条件に近づけるように自分自身の体質、症状の陰陽を見極めて食養を実践することが大切です

 上記の条件を満たしている人は、農薬、化学肥料、食品添加物の使われていない食品を使い、主食3に対して、よく煮締めた副食は1、野菜炒めとかテンプラのような短時間で調理した副食は2分の1から同量迄で、腹八分の食生活であれば重病にはかかりません。

 

○ 桜沢 如一先生の諺

1,台所は生命の薬局、主婦は薬局長。

1,原理なき技術は危険、技術なき理論は無用。